ご近所の工務店さん(コーキ建設様)の事務所兼ショールームの応接テーブルを制作させて頂きました。
W2700 x D1100 x H720
材質:タモ、蜜蝋
塗装:オスモフロアクリア
工務店さんからの相談を頂いた時に、ちょうど和歌山の材木屋さんと木のまとめ買いの話をしていて、
タモで使えそうな板があったので挑戦させて頂きました。
元の状態の板は、下のような感じで、長い年月が経って割れや反りが大きい状態。
ただ、木のカーブや縮れた木目に魅力がありました。
まずは、痛んだ部分をカットしてから、荒く平面を出す為にルーターで平面を出していきます。
ある程度平面が出た後、割れ止めにチギリ(千切り)を作って埋め込みます
先に埋める駒を作り、尖らせた鉛筆で型を取り、ルーターで1,2mm程残しつつフリーハンドで彫ります。
最後にノミを鉛筆の線に合わせて残りの部分を一気に切り落とします。
千切りを入れるのは初めてだったのですが、この方法だと思っていたよりピタリと嵌ります。
反った2枚の板をくっつけるのですが、板が重く手押し鉋が使えない為、今回は丸ノコでハギ面を作りました。
直線の鉄鋼材を調達し、それに沿ってカット!
ビスケットを二重に入れて接着します。接着の際に割れで圧力が逃げるのを防ぐ為、先に千切りを入れています。
接着後、鉋がけをした後、割れに蜜ロウを流し込みます。
父親が趣味で日本みつばちを飼育していて、その蜜蝋を使わせてもらいました。
蜜ロウは適度に弾力がある為、割れを埋めるのに適しているのです。
もしパテなど硬いもので埋めた場合、木の収縮についていけず逆に割れが広がってしまう時があります。
↓溶かして、流し込み
脚も同じタモ材で、板の形に合うようにデザインしました。
板の側面(耳)は、あえて元の凹凸を残しながら、滑らかに磨いています。
塗装は、自然系塗料のオスモ フロアクリアー。
自然な色合いで適度な艶があり、なにより撥水、輪ジミに強いので、テーブルの塗装によく使っています。
納品時の写真です。
当初の予定よりも、時間がかかってしまいましたが、いろいろと挑戦させて頂き、
納得のいくものができたと思います。
工務店さんにご来店された方の評判もよいようで、一安心です。
同じ板はありませんが、ご依頼主さまの好みや内装に合わせて、板を探す事ができますので、
お気軽にと問い合わせ下さい。
現在もコーキ建設さまの事務所で見て頂く事ができます。↓リンク
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